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設立趣意

2012年9月16日

宮山型吉備特殊器台
宮山型吉備特殊器台

吉備特殊器台とは特殊壺とともに、弥生時代の後期に吉備地方で生まれた土器です。華麗な文様を施し、丹で赤く塗るなど装飾性に富んだ大きな筒型土器で、王墓の埋葬祭祀に使用されました。そして、特殊器台による葬送祭祀は突然大和(現奈良桜井市)の纏向遺跡の巨大前方後円の墳頂に現れ古墳時代が幕を開けます。その後、古墳に並べられる埴輪へと変化していくのですが、纏向における前方後円墳の出現は、ヤマト王権の成立を表すと考えられており、特殊器台・特殊壺の出土は、吉備地方の首長がヤマト王権の成立に深く参画したことの現れだとされています。つまり、「ヤマト(後の日本)誕生」の屋台骨を担ったのが私たちの先祖であり、「吉備特殊器台」はその象徴的存在といえます。

本委員会の目的はこの「吉備特殊器台」の復刻制作を各分野の専門家のアドバスのもと参加表明されたより多くのメンバーによって試みようとするものです。
東北大震災という悲しい出来事とともに原発事故という日本史上最悪の環境災害の中、多くの方々がこの吉備岡山に移住されています。岡山が災害の少ない地域であることは我々の常識ではありますが、二千年前に遡っても倭国のもっとも豊潤で安全な国であったろうことを疑うことはできません。祭政一致の時代においてそのシンボルともいえる吉備特殊器台の価値を多くの皆さんにお伝えすることに大きな意義を感じます。
これまで吉備特殊器台の復刻は専門分野においても行われておりませんが、私たち実行委員会では、より忠実な形での復刻再現を果たすことにより、広くその存在の意味と認知度を高めることを目的とします。
そして、それが多くの岡山県民の心にその末裔たる誇りと自信を醸成し「ふるさと吉備」再構築への情熱となって「すばらしい吉備の未来」に繋がることを願うものです。

Posted by 近重