錦秋、 毛無山

毛無山 (けなしがせん)は豊かなブナ自然林 06-Oct.31

毛無山 登る

役の小角の開闢による修験道の山とされ、戦前まで女人禁制であったとのこと、「けなしがせん」と読む。「山」を「せん」と読むのは中国地方の特徴であるが、それを修験道が盛んであったためと説明される。しかし私は逆の説を考えている、「せん」は呉音であり、海人族の言葉と考えられる。吉備津を中心とする邪馬台国=吉備は海人族の信仰の形跡を特殊器台に残しているが、中国山地で盛んであったタタラ製鉄もじつは海人族の技術であるという説がある。台湾のヤミ族の船を「タタラ」といいタタラ製鉄の材料である砂鉄を採るための「たたら船」や工程上のみぞが船底をイメージされるということからきているというのだ。毛無山9合目いずれにせよ諸説あり定説はないようだが、呉音である「せん」が現代まで残るこの地は古い歴史(海人族の文化)を色濃く残している訳である。さらに修験道の祖「役の小角」は実は神官の子なのである、神道と仏教を融合させた形が修験道であるが、それは神の邦である吉備で醸成され熊野に移行していったのではと想像する。つまり「せん」と読むこの地域で修験道もしくはその原点が生まれたのではというのが私の説だ。

毛無山の登山口は新庄の御鴨神社の参道口のほぼ対面にある田浪に向かう道をはいる。しっかりとした看板サインがあるのでだいじょうぶ!7kmほど行くとしっかり整備されたビジターセンターや駐車場、キャンプ場などが現れる。毛無山 頂上先週とは対照的にこの7kmは7分で到着した。

登りはやや急登であるが森林浴を楽しみながらで心地よい、1時間ほどで9合目の休憩所に着いた。あと一息を登りきると眺望開ける頂上広場にでる。ここは360度の景観である、特にすっきり晴れた日には日本海、隠岐の島まで見渡せるだろうがあいにく今日は少し霞んでいて大山までであった。縦走路さて、最大の楽しみである弁当をベンチでいただきしばらく一服した。山登りの専門家によれば、サバイバルである山登りでは本来ゆっくりと食事を摂ること等はなく行動食(歩きながら食う?)が基本だそうだが、ここだけはpicnic派の我々としては譲れない!

毛無山頂上から白馬山への縦走路を下ってゆく。アップダウンも少なく山の紅葉を楽しみながらの気持ちのいい道だ。40分ほどで白馬山頂上(といっても頂上らしくはないけど)に着く、開けてはいないが枝越しに大山が見える。ここからは縦走路をはずれ田浪へと下ってゆく、45分で登山口に辿り着いた。倉敷の清水先生に勧められていたがさすがによく整備された道でたのしい秋の一日となった。

毛無山頂上から白馬山へのブナ林

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