吉備の中山 を歩く

吉備の中山 を歩く 08 Mar.25

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古今和歌集に「真金吹く 吉備の中山 帯にせる 細谷川のおとのさやけさ」と歌われる岡山市吉備津の中山を訪れた。現在、吉備津神社は本殿を改装中で少しうす暗いなか参拝を済ませると回廊を南に廻り遊歩道の入り口にたった。ここ吉備津神社ではどうも東西南北の感覚がおかしくなってしまう。実際には本殿がほぼ北を向いているが、まずはこのことが大変めずらしい。ほかに北を向いている神社があったら是非紹介してもらいたいと思うくらいだ。ここから足守川をはさんだ西2kmにあの楯築弥生墳丘墓があり方位信仰の跡が残る遺跡であることを考えると、この吉備津神社の出自に特異な歴史があるのだと思う。

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この山の最高峰は竜王山(ここも中国系?)で175mという低山であるがそれでも細谷川となずけられた小川がチョロチョロとながれている。遊歩道として整備された道をしばらくいくと残念ながらアスファルトの車道にでる、よい天気のせいかたくさんのウォーキングの人々と出会った。さて左側に中山茶臼山古墳への登り階段があらわれるのでさっそくゆくとよく整備されたその広場に到着する。ここは陵墓参考地に指定されており古墳内への立ち入りが禁止されているがその主は「吉備津彦命」とされている。

つぎは、ここからすぐの場所にある古代吉備文化財センターにたちより、本日の目的地でもある矢藤冶山古墳への道を訊ねることにした。yatojiyamaここには「上東遺跡の護岸跡」「吉備の陶棺」「吉備特殊器台」などの大物を見ることができる。さて教えてもらった道をゆき約20分ほどで矢藤冶山古墳の頂上に到着した。実際にはセンターの事務の女性はこの古墳のことを知らなかったし、リンクページをさがしたがWEB上にこの古墳を説明するページはヒットしない、つまり思いのほか扱いがちいさいのだ。しかし墳長約35mの前方後円墳で方格規炬鏡(TLV鏡)1、大型硬玉勾玉1、ガラス小玉50、終末期の特殊器台と特殊壷が多数発見され最古式のものとかんがえられるというのだからミッシングリングともいうべき非常に重要な遺跡であるに違いないのだ。奈良大和に特殊器台が移動する直前のものとすれば史上最古の前方後円墳である可能性もある。

矢藤冶山古墳と説明板

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